肝臓の仕組みと働き

1,仕組み
肝臓は、約1,200gの重さをもち、体重の約1/50を占めます。
肝臓は、多くの役割を持っておりその役割をはたすために、たくさんの酸素が必要であ、酸素を
運ぶため大量の血液が流れ込みます。
肝臓に出入りする血管は、門脈・冠動脈・肝静脈があり、なかでも門脈と呼ばれる静脈は
肝臓しかありません。
門脈とは、胃や腸、膵臓、脾臓、胆嚢などからの血液が流れ込んでくる血管です。
小腸から消化吸収された様々な栄養素を心臓に送り込む血管です。
肝動脈は、肝細胞に必要な酸素エネルギーを運ぶ血管です。
肝静脈は、肝臓で代謝、処理された栄養素を心臓に送り込む血管です。

このように肝臓は、非常に血流の富む臓器です。もしも何かアクシデントがおきて肝臓に
十分な血液が供給されなくなったとしたら? 細胞に必要な酸素と栄養が行き届かなくなり、
肝機能が低下してしまいます。 肝細胞に送り込まれる血液は、1分間に1,100mLで肝臓内に
蓄えられている血液は、身体全体の10%以上にも相当します。
肝臓が暗褐色をしているのは、このように血液を含んだ臓器だからです。


2,代  謝

肝臓は、ほとんどの物質を代謝している中心の臓器です。
○タンパク質代謝の例
(タンパク質摂取→小腸でアミノ酸に分解・吸収→→肝臓へ)
 食べ物に含まれるタンパク質は、小腸でアミノ酸に分解、吸収され肝臓に送られます。
 そこで体を構成するタンパク質に組み替えられるのです。
 例えば、アルブミンと呼ばれる血清タンパク。
 止血に重要な働きをするフィブリノーゲンなどの血液凝固因子。
 特にアルブミンは、1日10〜15gも肝臓で合成されます。この時に余ったぬアミノ酸は、
  ブドウ糖に   作り変えられ、エネルギー源になったり、アンモニアに分解されたりします。
 肝臓には、他にも糖の代謝、脂質の代謝、ビタミンの代謝、ミネラルの代謝、胆汁酸の
  代謝なども行っています。 


○肝硬変での代謝異常
肝硬変などで肝細胞が著しく障害を受けると、それにともない合成されるタンパク質が
減ってきます。
その結果、血液中のタンパク質も減少し、低アルブミン血症を引き起こします。
いわば血液が水ぽくなる症状で、血管を外側から覆うものが少なくない場所。
たとえば腹腔などでは、血液の液体成分が血管の外へ浸透しやすくなります


重症の肝臓病にみられる、浮腫や腹水症状の一因にはタンパク質代謝の障害が起こるからです。

3,解  毒
解毒とは、有害物質を水に溶けやすい形に変え、尿や胆汁の中に排泄する働き。
○タンパク質の解毒例
 (タンパク質摂取→腸内で悪玉菌に分解され、アンモニアが発生→→肝臓で解毒)
腸内では、食べ物に含まれるタンパク質が悪玉菌によって分解され、アンモニアなどの
有害物質が絶えず発生しています。
又、肝臓には特殊な細胞があり血液中を流れてくるウイルス、毒素、色素、腫瘍細胞、
壊れた赤血球などを細胞内に取り込み、消化してしまいます。
これも肝臓の解毒機能の一つと考えられます。

○肝硬変での代謝異常
上記に述べたアンモニアですが、これがもし肝臓で解毒されないと大変なことになります。
腸管から吸収されて血液中に入ったアンモニアは、そのまま脳に運ばれ「意識障害」
引き起こします。 肝硬変症などで肝機能が著しく低下していると時に起こる「肝性脳症」
それです。ゆえに便秘は禁物です。 

4,胆汁分泌
肝臓の働きの一つに、胆汁と呼ばれる消化液の分泌があります。
胆汁の成分の97%が水分で、残り3%は胆汁酸、コレステロール、リン酸、脂肪酸、
ビリルビンからなります。
ビリルビンの主な材料は、古くなった赤血球の中に含まれる血液の素でこのような(間接型)
ビリルビンは、体に不要なばかりか毒性もあるため、肝臓で水に溶けやすい(直接型)
ビリルビンの形に変えて、胆汁と一緒に排泄しているのです。

 ○肝硬変での胆汁分泌異常
肝硬変では、肝細胞が阻害され毛細血管への胆汁の排泄が乱れます。
その結果、直接ビリルビンが逆流し血液中に増加します。
もちろん、間接ビリルビンを直接ビリルビンにする機能も落ちますので、間接ビリルビンも
血液中に増加しますが、直接ビリルビンの方がより顕著に増加します。
肝細胞の大部分が阻害されると、それが黄疸となって現れます。

5,日常注意すること
医師の指導を受けながら下記の事に注意しましょう。

a,まず何よりも安静が第一です。
  肝臓を流れる血液量は、寝ている時を10とすると、座った状態で6、立った状態で4、と
    著しく減少します。
  壊れた肝細胞を治すためには、その材利用を運んでくれる血液の量が肝臓内に多く
    流れるほど良い事になります。安静は、回復を早める近道です。

b,食事療法
  高タンパク、低脂肪が基本ですが、それにあまりとらわれずバランスのとれた食事を
    心がけるようにしましょう。

注、これらはあくまでも目安です。詳しくは医師の指導を受けましょう。